日本でもっとも人気のある絵画の印象派とは?何か?
どんな絵の種類で技法の特徴など
主な画家の一覧や作品の解説を
初心者にもわかりやすくまとめました。
人間関係もけっこう面白いですよ~
ぜひご覧ください(・∀・)
絵画の種類で印象派とは何ですか?
日本で開催される絵画の展覧会で
観客動員数がもっとも多い印象派
印象派とは、19世紀後半
フランスの絵画を中心とした
芸術運動で当時、パリで活動していた
画家たちのグループが起源です。
17世紀以来、パリでは国家の機関である
芸術アカデミーがパトロンでした。
お金を持ってるアカデミーが
行政と教育を支配していたのです。
そのアカデミーが主催するサロン
公募展に入選しないと作品の評価が得られないように
若手の登竜門としての仕組みが成立していました。
ハポネコ
アカデミーが評価する絵画は
ルールが決まっていて
古代ローマの美術をお手本に
歴史や神話、聖書の歴史画!
サロンの審査員
とされていました。
すごく偏った見方、考え方ですよね。
でも当時のフランスでは常識だったのです。
当時の歴史画とはこんな絵画です。
《アルカディアの牧人》 1638 – 1640頃
ニコラ・プッサン
《ホラティウス兄弟の誓い》1784
ジャック=ルイ・ダヴィッド
名画には違いないのですが
限られた歴史がテーマで
フラットに写実的な絵画です
一方で印象派の絵画の特徴は
- 筆のストローク
- 戸外制作
- 光の空間と時間の変化
- 日常性
- 動き
- 描画アングル
などなど今までにない絵画だったので
サロンでは落選する若手アーティストが続出に。
『草上の昼食』エドゥアール・マネ
1862年~1863年
サロンの審査員
例えば女性のヌードは神話や歴史上の出来事でしか
認められなかったのです。
これを見かねたナポレオン3世は
落選展を開催したんですが
観客は物笑いながら鑑賞する展示となり
最終的には打ち切りに(^_^;)
※観客動員数は多かった
その後、若手アーティストたちは
自分たちで共同出資会社を立ち上げ
展覧会を開催し後に「印象派」という
グループで呼ばれるようになりました。
呼び名のきっかけはモネの絵画
「印象・日の出」という作品。
ルイ・ルロワ 美術批評家
今では名画と讃えられるモネの作品が
当時のフランスでは酷評だったのです。
印象派は登場当初は評価も低く
人気もなく絵も売れませんでした(TдT)
ですが次第に人々には好感をもたれ
金融家、百貨店主、銀行家、医者、
歌手などにまで市場が広がり
さらにアメリカ市場に販路が開けたことで
大衆に受け入れられたのです。
- 旧態依然のサロンの仕組み
- 抑圧された若手アーティストのエネルギー
- カメラなどの新しいテクノロジー
- 新しい経済支援の方法
様々な時代の要因が重なって
当時のフランスで旧態依然の古い体質に
抗った若手アーティスト達の
新しい表現運動が印象派の本質なのです。
絵画の種類で印象派で画家の一覧は?
印象派の展覧会は第8回展まで開催
主な代表的な画家の一覧です。
アーティストってキャラが濃いので
人間関係が面白いのです。
カミーユ・ピサロ
1830年7月10日 – 1903年11月13日
デンマーク生まれのピサロは
印象派の最年長の画家です。
人柄は温和で仲間から尊敬を受けていて
第1回から全ての印象派展に出品したのは
このピサロだけでした。
エドガー・ドガ
1834年7月19日 – 1917年9月27日
フランス生まれのドガ
第7回以外の印象派だけ出品できていない。
理由は皮肉屋な性格ゆえ、画家仲間との
衝突が絶えなかったから。
印象派の画家ですが、古典的手法で
葛飾北斎の影響を強く受けています。
バレエの作品が有名です。
アルフレッド・シスレー
1839年10月30日 – 1899年1月29日
フランス生まれのイギリス人画家
900点ある油彩作品はほぼ風景画
他の画家が印象派の技法を離れたなかで
終始一貫、シスレーだけ
印象派の画法を保ち続けました。
ポール・セザンヌ
1839年1月19日 – 1906年10月23日
フランス生まれの画家
近代絵画の父と呼ばれるセザンヌ
時間と共に移ろう光ばかりを
追い続ける印象派の手法に不満を持ち
独自の画業に専念しました。
サロンにも出品し続けて落選回数が
最も多い画家なのです。
反骨精神がすごいのよ。
クロード・モネ
1840年11月14日 – 1926年12月5日
モネは同じモチーフを繰り返して描く
連作のスタイルが有名です。
「積みわら」や「ルーアン大聖堂」「睡蓮」は
名画として価格も高騰しています。
印象派の展示とサロンに出品するのに
悩んだ時期もありました。
ベルト・モリゾ
1841年1月14日 – 1895年3月2日
マネの絵画のモデルとしても有名で
モリゾはマネの弟と結婚。
娘も画家になり、ドガの弟子と結婚しました。
印象派の中で関係が良好な女流画家。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
1841年2月25日 – 1919年12月3日
ルノワールといえば女性を
表現する柔らかいタッチが特徴。
モネと野外へ出かけ
印象派のタッチを生み出しました。
後半は古典主義への回帰で
作風が変化しているので
ポスト印象派の画家とされることも。
アルマン・ギヨマン
1841年2月16日 – 1927年6月26日
強烈な色彩で知られ世界中の美術館が
ギヨマンの絵画を展示しています。
セザンヌやピサロとは終生の仲間で
彼らの作品に影響を与えた役割が大きいです。
メアリー・カサット
1844年5月22日 – 1926年6月14日
アメリカ生まれでプロになるべく
パリへ渡った画家。
母と子を描いた絵画が特徴で
正確な素描、優しい視点で
人気のある作品です。
ギュスターヴ・カイユボット
1848年8月19日 – 1894年2月21日
富裕な衣料製造業者の子として
生まれたので印象派の画家であり
印象派の画家たちの経済的支援者。
印象派絵画の収集家でもあったので
無くなった時に収集した印象派の
作品の行方が論争に。
エヴァ・ゴンザレス
1849年4月19日 ~ 1883年5月6日
34歳の若さでお亡くなりに
印象派の画家のモデルにも
マネのたった一人の弟子。
絵画の種類で印象派で技法や作品の解説は?
印象派の絵画の技法をわかりやすくまとめると
- 短くて厚い筆のストロークが特徴。
- 主題の細部ではなくエッセンスを素早く捉える。
- 絵具をなるべく混ぜない。
- 黒を使わない。
- 前に塗った色が乾かないうちに次の色を塗る
- 印象派の絵は基本的に光沢がない。
- 印象派は白または明るい色の下地に描く。
- 自然光の役割を強調する。
- 戸外でよく制作する
それまでの画家はアトリエにこもって
制作するのが普通だったんですが
印象派の画家は戸外へ出て絵を描きました。
チューブ入りの絵の具が開発され
これにより画家は戸外でも室内でも
自由に制作することができるように。
他には写真が登場し現実を写し取る
画家のスキルの価値が低下しました。
そこで画家たちは他の芸術的表現手段を
追求し始めたのです。
印象派は正確な再現を生み出すのではなく
彼らの目に映るモノを主観的に
描くことが可能になりました。
もう一つの影響は日本の浮世絵です。
浮世絵の技法は印象派のアングルと
斬新な構図に大きく貢献しました。
まとめ
日本でもっとも人気のある絵画の印象派とは?何か?
どんな絵の種類で技法の特徴など
主な画家の一覧や作品の解説を
初心者にもわかりやすくまとめてみました。
アーティストが会社を立ち上げて
展覧会を自主運営したのはスゴイですね。
サロンとのバチバチな対決も壮絶だったようです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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